筋トレの後の太ももや、座り仕事で固まった肩を、自分の手でもんでも追いつかない。そんなときに気になるのがマッサージガンです。手より短い時間で深いところまで届き、自宅でいつでも使えるのがメリットで、当て方を間違えると揉み返しや内出血が出るのがデメリットです。向く人と向かない人、当ててはいけない場所、1か所10〜30秒の使い方まで、買う前に知っておくことをまとめました。
メリットは3つ。深く届く、いつでも、整体より安い
マッサージガンは、先端のヘッドが1分間に2,000〜3,000回ほど前後に動き、筋肉を細かくたたく器具です。手でもむより短い時間で筋肉の深い部分まで振動が届き、太ももやお尻のように厚い筋肉でも自分でほぐせます。ここが1つ目のメリットです。
2つ目は、時間と場所を選ばないことです。コードレスなので、風呂上がりの脱衣所でも、ジムの帰りでも、机の横でも使えます。整体の予約を取って通う手間がなく、気になったときにすぐ当てられるので、続けやすいという声が多いです。
3つ目は費用です。整体やマッサージは1回3,000〜5,000円ほどで、週1回通うと月に1万2,000〜2万円かかります。マッサージガンは1万円前後の物なら、2〜3か月で元が取れる計算です。運動前に30秒ほど当てて体を温める、運動後に1分当てて疲れを抜く、という使い方もできます。
デメリットは4つ。揉み返し、音、重さ、価格の幅
デメリットでいちばん大きいのは、やりすぎによる揉み返しと内出血です。同じ場所に長く当てたり強く押し付けたりすると、筋肉が守ろうとして固くなり、かえってこりが強くなります。皮膚の薄い首やすねでは、かゆみが出る人もいます。
2つ目は音です。モーターが入っているので、40〜50デシベルほどの音が出ます。人の会話と同じくらいの大きさで、夜のマンションでは気になることがあります。静音と書かれた物でも40デシベル前後なので、無音にはなりません。
3つ目は重さです。標準的な物は800〜900gあり、腕を上げて肩に当て続けると手首や腕が疲れます。力の弱い人や高齢の人には向かない場面があります。400g前後の小型もありますが、その分だけ振動は弱めです。
4つ目は価格の幅です。1万円を切る物から5万円を超える物まであり、初めての人には違いが分かりにくいです。高い物ほど振動が強く静かですが、家で肩と脚に当てるだけなら、1万円前後で足りるという声が多いです。
向くのは筋肉の張り、向かないのは首こりと持病
マッサージガンが向くのは、筋肉そのものが張っている人です。筋トレやランニングの後に太ももやふくらはぎが固い人、座り仕事でお尻と腰の周りが重い人には、手より早く楽になる場面が多いです。肩なら、首の付け根ではなく肩の上の厚い筋肉が対象です。
向かないのは、首こりを直したい人です。首は血管と神経が浅い場所を通っていて、当ててはいけない場所に入ります。首こりの原因は姿勢や目の疲れなど複数あるので、首の周りをたたいても変わらないことが多い、と整体院の記事でも書かれています。
使うのを控えたほうがいい人もいます。骨粗しょう症の人、妊娠中の人、血栓ができやすい人、心臓病などで治療中の人は、使う前に医師に相談してください。皮膚に炎症やけががある場所、痛みが強い場所も避けます。
| 状態 | 向くかどうか | 理由 |
|---|---|---|
| 運動後の太もも・ふくらはぎ | 向く | 厚い筋肉に深く届く |
| 座り仕事のお尻・腰の周り | 向く | 自分の手が届きにくい場所 |
| 首こり | 向かない | 首は当ててはいけない場所 |
| 骨粗しょう症・妊娠中・血栓のリスク | 医師に相談 | 振動が体に負担になる |
当ててはいけない場所は首の前、脇、股関節、骨の上
安全に使うために、場所の決まりが4つあります。首の前と横、脇の下、太ももの付け根、背骨やひざなど骨のすぐ上には当てません。この4か所は太い血管や神経が浅い場所を通っていて、振動で傷つく恐れがあります。
首の前と横には頸動脈があります。強い振動で血管の内側が傷つくと血栓ができる恐れがあり、血圧が急に変わってめまいや失神が起きることもある、と鍼灸院や整体院の記事で注意されています。首は後ろ側も含めて、当てないでください。肩に当てるときは、首の付け根から下の厚い部分に留めます。
脇の下と太ももの付け根は、神経の束とリンパ節、太い動脈が集まっています。ここに当てると、手や足のしびれ、内出血、神経の痛みにつながります。ひざの裏やひじの内側など、関節の裏側も同じ理由で避けます。
骨の上に当てると、骨の表面の膜が炎症を起こして強い痛みが出ます。背骨の真上、ひざのお皿、鎖骨、すねの前は当てず、その横の筋肉に当てます。顔と胸も避けてください。
1か所10〜30秒、最弱で滑らせるのが基本
デメリットの揉み返しは、当て方を守るだけで防げます。1か所に10〜30秒、1つの筋肉に1分以内、強さは最弱から、押し付けずに筋肉に沿って滑らせる。この4つが基本です。
- アタッチメントは、丸くて柔らかいボール型を付けます。初めての人はこれだけで足ります。
- 強さを最弱にして電源を入れ、ヘッドを筋肉に軽く触れさせます。本体の重さだけで、押す力は加えません。
- 筋肉の向きに沿って、ゆっくり滑らせます。1か所に止めるのは10秒までにします。
- 1つの筋肉で30秒〜1分たったら、次の筋肉に移ります。同じ場所に戻らないようにします。
- 全身で10〜15分以内に終えます。終わったら水を飲み、その日はもう当てません。
強さは「痛気持ちいい」より弱い「心地よい」で止めます。強いほど効くと思われがちですが、強い振動には筋肉が守ろうとして固くなるので、弱いほうが早くゆるみます。慣れてきても、強さは真ん中までで十分です。
頻度は、記事によって「毎日でもよい」と「週2〜3回」に分かれます。初めのうちは週2〜3回から始めて、揉み返しが出なければ日を増やしてください。風呂上がりや寝る前は血流が増えているので、避けたほうがいいと書く整体院もあります。
効かないと感じる原因は当て方より姿勢
「買ったけれど効かなかった」という声には、共通する理由があります。こりの原因が筋肉ではなく、姿勢や目の疲れ、ストレスにあるときは、筋肉をたたいても数時間で戻ります。マッサージガンは、筋肉の張りをほぐす道具で、原因を消す道具ではありません。
座り仕事の肩こりなら、当てた直後は軽くなっても、翌日には同じ姿勢で戻ります。この場合は、当てる回数を増やすのではなく、机と椅子の高さ、画面までの距離、1時間に1回立つ習慣のほうが先です。マッサージガンは、その上で残った張りに使います。
逆に、運動後の筋肉の張りには、原因が筋肉そのものなので変化が分かりやすいです。効かないと感じたら、当てている場所が原因の筋肉か、強さを上げすぎて固くしていないか、この2つを見直してください。それでも変わらないこりは、整形外科や整骨院で原因を見てもらうほうが早いです。
買うかどうかは部位・重さ・音の3つで決める
ここまでのメリットとデメリットを並べると、買うかどうかは3つで決まります。当てたい場所が太もも・お尻・肩の上など厚い筋肉か、片手で1分持ち続けられる重さか、使う時間帯に出せる音か。この3つが全部当てはまる人には、向いている道具です。
当てたい場所が首なら、買っても使える場所がありません。首こりが目的の人は、姿勢と目の休め方を先に変えて、それでも残る肩の上の張りに使うと決めてから選んでください。背中の真ん中に当てたい人は、片手では届かないので、ホルダーか家族の手が要ります。
重さは、店で持てるなら持ってみてください。800g以上の物を腕を上げて肩に1分当てると、手首が疲れます。力に自信がない人と高齢の人は、400〜500gの小型のほうが続きます。音は、寝る前に使いたい人ほど数字を見て、40デシベル前後の物を選びます。
買ったら、最初の1週間は最弱で1か所10秒、週2〜3回から始めてください。揉み返しが出なければ、少しずつ時間を増やします。首の前、脇、股関節、骨の上に当てない、この決まりだけは慣れても変えないでください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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