家でサンドバッグを打ちたいけれど、吊り下げと自立のどちらにするか、天井がもつのか、隣に響かないかで止まっている。そういう人は、まず置き場所から決めると迷いが減ります。サンドバッグの選び方は、置き場所で型を決め、身長で長さを決め、目的で重さを決める、この順番です。天井の梁の確かめ方、自立式が壊れる理由、中身と表面の違い、マンションで使うときの決まりまで、買う前に測ることが分かる形にしました。
最初に決めるのは置き場所。天井か床か
サンドバッグは、置き場所で型が決まります。天井の梁に金具を付けられるなら吊り下げ式、付けられないなら床に置く自立式かスタンド式です。どちらでもない人は、空気や水を入れる軽い型から始めます。
吊り下げ式は、天井からチェーンで下げる型です。倒れないので強く打て、360度どこからでも打てます。その代わり、天井に金具を付ける工事がいり、賃貸では大家さんの許可が必要です。
自立式は、水や砂を入れた土台の上にバッグが立つ型です。工事がいらず、置くだけで使えます。強く打つと土台ごとずれたり倒れたりするので、土台の重さが選ぶときの決め手になります。
スタンド式は、専用の枠にバッグを吊るす型です。天井の工事なしで吊り下げに近い打ち心地が出ますが、枠の分だけ場所を取ります。自立式では物足りない賃貸の人に向きます。
| 型 | 工事 | 打ち心地 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 吊り下げ式 | 天井の梁に金具 | 強く打てる、倒れない | 持ち家、本格的に打つ人 |
| 自立式 | 不要 | 土台が軽いと動く | 賃貸、初めての人 |
| スタンド式 | 不要(枠を組む) | 吊り下げに近い | 賃貸で強く打ちたい人 |
| 空気・水入り | 不要 | 軽く、音が小さい | 運動不足の解消、子ども |
吊り下げは梁に付ける。石こうボードには付かない
吊り下げ式を選ぶ前に、天井を確かめてください。金具を付けられるのは木か鉄の梁だけで、石こうボードの天井には付けられません。バッグの重さは30〜50kgあり、打つたびにその何倍もの力が金具にかかります。
梁の位置は、天井を軽くたたいて音が詰まる場所を探すか、下地センサーで見つけます。分からないときは、工務店に見てもらってください。梁の耐荷重が分からないまま付けると、天井ごと落ちる恐れがあります。
場所は、バッグの周りに半径1mほどの余白がいる点も見落としやすいところです。打つとバッグが揺れて戻ってくるので、壁や家具に当たる位置には付けられません。天井の高さは、バッグの長さにチェーンの分を足して、こぶしの高さが胸に来るかで確かめます。
自立式は土台の砂が80kg以上で動かない
自立式で失敗が多いのは、土台が軽くて打つたびに動くことです。土台に砂を80kg以上入れられる物なら本気で打ってもほとんど動かず、100kgあればプロの打撃でも動かない、とジム用品店の記事で説明されています。土台の容量が20〜30Lの物は、水を入れても20〜30kgにしかなりません。
土台には水か砂を入れます。砂は水の約1.5倍重いので、同じ容量なら砂のほうが安定します。ただし砂は入れるのに手間がかかり、抜くのも大変です。引っ越しの予定がある人は水、置きっぱなしにする人は砂が向きます。
自立式が壊れる原因は3つです。支柱が折れる、クッションがへたる、土台から砂が漏れる。支柱は太い鉄の物、クッションは硬めの発泡ポリエチレン、土台は継ぎ目の少ない物を選ぶと、この3つを避けられます。吊り下げ式は10年使えるので、自立式も同じくらい使える物を目安にしてください。
底に吸盤が付いた物や、脚が外に広がる物は、さらに倒れにくいです。床がフローリングなら、吸盤が効くようにマットではなく床に直接置き、周りにマットを敷きます。
長さは身長より10〜20cm低く、重さは目的で
長さは身長で決めます。パンチだけなら身長より20cmほど短い物、キックも打つなら身長より10cm短いくらいの長い物が打ちやすいです。大人の男性なら170〜185cm、女性や初めての人なら140〜160cmが目安です。
| 使う人 | 長さの目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 大人の男性 | 170〜185cm | キックも打つなら長め |
| 女性・初めての人 | 140〜160cm | パンチ中心なら短めで足りる |
| 子ども | 100〜150cm | 高さを変えられる物 |
吊り下げ式はチェーンの長さで高さを変えられるので、長めを選んでおいて調整できます。自立式は高さが固定の物が多いので、こぶしを構えた高さがバッグの真ん中に来るかを確かめてください。
重さは、目的で分けます。運動不足の解消やストレス発散なら20〜30kgで足ります。ボクシングや空手の練習なら40〜50kgの物が、打ったときの揺れが小さくて打ちやすいです。60kg以上の物は硬く、こぶしと手首への負担が大きいので、経験のある人だけにしてください。
迷ったら、少し重い物にします。軽いバッグは打つたびに大きく揺れて、次の動きに入れません。ただし重いほど天井や土台への負担も増えるので、置き場所で決めた型の耐えられる重さの範囲で選びます。
中身は布とウレタン、表面は合皮で足りる
サンドバッグという名前ですが、中身は砂ではありません。裁断した布の切れ端やウレタンが詰まっていて、砂を入れると硬くなりすぎて手首を痛めます。中身入りで売られている物を選べば、そのまま使えます。
中身が空で売られている物もあります。自分で古着や毛布を詰める形で、硬さと重さを自分で決められる反面、詰め方が甘いと下に偏って形が崩れます。初めての人は中身入りが楽です。
空気を入れる型と水を入れる型は、軽くて音が小さいのが利点です。空気の型は倒れても起き上がる作りが多く、子どもや運動不足の解消に向きます。水の型は打った音がほとんど響かないので、夜に使いたい人に向きます。どちらも本格的な練習には向きません。
表面は、本革、合皮、PVC、帆布の4つです。本革は打った感触がよく長持ちしますが、手入れがいり、打った音も大きいです。合皮は安くて水拭きで済み、音も本革より小さいので、家で使うなら合皮で足ります。帆布は丈夫で衝撃を吸収しますが、汗を吸うので汚れやすいです。
マンションではマット2cm以上、9時から20時まで
集合住宅では、音より床の振動が問題になります。厚さ2cm以上のジョイントマットか防振ゴムのマットを2〜3枚重ねて敷き、使うのは午前9時から午後8時の間で1回30〜45分までにします。深夜と早朝は使いません。
型は、自立式、水入り、空気入りが向きます。吊り下げ式は打った音が天井の梁を通って上の階に伝わるので、集合住宅では避けたほうがいいです。表面は合皮にして、本革は選びません。
床の傷も防げます。自立式の土台は100kg近くなるので、フローリングに直接置くとへこみます。土台の下に硬めのマットを敷き、その周りにジョイントマットを広げると、傷と振動の両方を抑えられます。
始める前に、上下と隣の人にひと言伝えておくと、後で苦情になりにくいです。使う時間帯と、マットで振動を抑えていることを伝えれば、多くの場合は問題になりません。それでも苦情が来たら、時間を短くするか、水入りの型に替えます。
買う前に測るのは天井の高さ、身長、床の余白
ここまでで、サンドバッグの選び方は3つの順番に整理できました。置き場所で型を決め、身長で長さを決め、目的で重さを決める。この順で決めれば、届いてから置けない、打てない、隣に響く、という失敗を避けられます。
買う前に、メジャーで3つを測ってください。天井の高さと梁の有無、自分の身長、バッグの周りに半径1mの余白があるか。この3つで、吊り下げか自立か、長さは何cmか、そもそも置けるかが決まります。
賃貸やマンションの人は、自立式で土台に80kg以上の砂が入る物、長さは身長より10〜20cm短い物、表面は合皮、中身は布とウレタン。この組み合わせなら、工事なしで本気で打てて、音も抑えられます。持ち家で梁がある人は、吊り下げ式の40〜50kgを梁に付けるのがいちばん長く使えます。
初めての人は、いきなり重い物を買わなくても構いません。空気入りの起き上がる型で1か月打ってみて、物足りなくなったら自立式か吊り下げ式に替える。その順でも、無駄にはなりません。グローブとバンテージだけは、最初の日から必ず付けてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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