プロテインを飲み始めたら、ジムの棚やネットでBCAAという名前を見かけるようになった。中身が似ていそうで、両方いるのか分からないまま迷っている人は多いです。
先に答えると、BCAAはプロテインの代わりにはなりません。BCAAとは何か、プロテインとどう違うのか、どんな人が足すと使いやすいのかを順番に紹介します。
BCAAとはプロテインにも入っている3つのアミノ酸
BCAAは「分岐鎖アミノ酸」の英語の頭文字です。バリン、ロイシン、イソロイシンという3つの必須アミノ酸をまとめた呼び名です。
必須アミノ酸は、体の中で作れないので食べ物からとるしかないアミノ酸のことです。全部で9種類あり、そのうちの3つがBCAAにあたります。
筋肉のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のうち、約40%をこの3つが占めています。筋トレやスポーツの話でBCAAの名前がよく出てくるのは、この割合の高さが理由です。
3つのアミノ酸それぞれの役割
バリン、ロイシン、イソロイシンには、それぞれ次のような働きがあるとされています。
- バリン:筋肉のたんぱく質のもとになり、運動時のエネルギーにも使われる
- ロイシン:筋肉のたんぱく質を作る合図を出す役目が知られている
- イソロイシン:運動中のエネルギーとして使われる
サプリメントのBCAAは、この3つを「バリン1:ロイシン2:イソロイシン1」の割合で混ぜている商品が多いです。
BCAAはふだんの食事にも入っている
BCAAはサプリメントだけのものではありません。肉、魚、卵、牛乳、大豆製品、チーズなど、たんぱく質の多い食べ物にはどれにも含まれています。
プロテインも同じで、プロテインの中のたんぱく質を細かく分けていくと、その中にBCAAが入っています。つまり、プロテインを飲んでいる人は、すでにBCAAもとっていることになります。
プロテインとBCAAの違いは吸収の速さと役割
いちばん大きな違いは、体に入ってから使われるまでの速さです。BCAAはすでにアミノ酸の形なので消化がいらず、プロテインより早く血液に届きます。
プロテインは、20種類のアミノ酸がつながったたんぱく質です。体に入ると、まず胃や腸で消化されてアミノ酸に分けられ、それから吸収されます。
吸収の目安は、BCAAが約30分、プロテインが2〜3時間とされています。この差が、飲むタイミングの違いにつながります。
| 項目 | BCAA | プロテイン |
|---|---|---|
| 中身 | 3種類のアミノ酸 | 20種類のアミノ酸からなるたんぱく質 |
| 吸収 | 消化がいらず早い | 消化してから吸収されるのでゆっくり |
| 主な役割 | 運動中に筋肉が分解されるのを抑える | 筋肉や体を作る材料になる |
| 向いている時間 | 運動の前から運動中 | 運動のあと・食事で足りないとき |
役割で分けると、プロテインは「筋肉の材料」、BCAAは「運動中に筋肉が削られるのを抑える役」です。
長い時間運動していると、体はエネルギーが足りなくなり、筋肉を分解して使おうとします。そのときに血液中にBCAAがあると、筋肉の分解を抑えられると考えられています。
BCAAだけでプロテインの代わりにはならない
BCAAは3種類のアミノ酸しかないので、筋肉を作る材料としては足りません。筋肉を作るには9種類の必須アミノ酸がそろっている必要があります。
「BCAAは吸収が早いから、プロテインをやめてBCAAだけにしよう」と考える人もいますが、これはおすすめしません。体を大きくしたい、筋肉をつけたいなら、プロテインか食事でたんぱく質をとるのが先です。
プロテインだけで足りる人とBCAAを足したい人
1時間くらいまでの筋トレなら、プロテインと食事だけで足りる人がほとんどです。BCAAを足すかどうかは、運動の長さと内容で決めると分かりやすいです。
プロテインと食事だけで十分な人
- 週2〜3回、1回1時間以内の筋トレをしている
- 3食でたんぱく質のおかずを食べている
- トレーニングのあとにプロテインを1杯飲んでいる
このくらいの運動量なら、食事とプロテインに入っているBCAAで足りています。無理に追加で買わなくて大丈夫です。
BCAAを足すと使いやすい人
- ランニングや球技など、1〜2時間以上続けて体を動かす
- 練習の途中で何か口に入れたいが、プロテインだとお腹が重くなる
- 減量中で食事の量を減らしている
- 朝食前など、お腹が空いた状態でトレーニングする
運動中にプロテインを飲むと、お腹がたぷたぷして動きにくいと感じる人がいます。BCAAは粉を水に溶かしたり、顆粒をそのまま飲んだりする形が多く、運動中でも飲みやすいのが利点です。
運動前後で分けるBCAAとプロテインの飲むタイミング
両方使うなら、BCAAは運動の30分前から運動中、プロテインは運動のあとに飲むのが基本の組み合わせです。
吸収の早いBCAAを先に入れておき、運動のあとにプロテインで材料を足す、という順番です。
BCAAとプロテインを使う流れ
- 運動の30分〜1時間前に、BCAAを水に溶かして飲む
- 運動が1時間を超えるときは、途中で残りのBCAAを少しずつ飲む
- 運動が終わったら、なるべく早めにプロテインを1杯飲む
- その日の食事で、肉や魚、卵などのたんぱく質のおかずを食べる
運動の時間が短い日は、1と2を飛ばしてプロテインだけで問題ありません。
BCAAの量は商品の表示どおりでOK
1回の量は、商品のパッケージに書かれた目安に合わせましょう。サプリメントの1回分は2,000mg前後からのものが多いです。
効いている感じがしないからといって、表示の何倍も飲むのは避けたほうがいいです。量を増やしても、そのぶん結果が良くなるわけではありません。
成分表示でプロテインに入っているBCAAの量を確かめる
BCAAを買い足す前に、今飲んでいるプロテインの成分表示を見てみてください。プロテインの中には、1杯あたりのBCAAの量をパッケージに書いているものがあります。
袋の裏の栄養成分表示の近くに「アミノ酸組成」や「BCAA」という欄があれば、そこに1杯分のmg数が書いてあります。
その数字が、BCAAのサプリメント1回分と同じくらいあることも珍しくありません。その場合は、BCAAを別に買っても中身がかなり重なります。
表示が無いプロテインの場合
アミノ酸の量を書いていないプロテインもあります。その場合は、メーカーのホームページの商品ページか、問い合わせ窓口で確かめられます。
分からないまま両方を飲むより、一度数字を見てから決めたほうが、お金も手間もむだになりません。
BCAAもプロテインも食事の代わりにはならない
BCAAもプロテインも、食事で足りない分を補うためのものです。3食のたんぱく質と炭水化物がそろっていることが先で、サプリメントはそのあとです。
炭水化物が足りないまま運動すると、体はエネルギーを筋肉から取ろうとします。BCAAを飲んでいても、ご飯やパンを抜いていると筋肉は落ちやすくなります。
また、BCAAの飲み物の中には、飲みやすくするために糖分を多く入れているものもあります。減量中の人は、栄養成分表示の炭水化物の量も一緒に見ておくと安心です。
まずは今のプロテインと食事を見直して、長い運動をする日だけBCAAを足す。この順番で考えると、BCAAとプロテインの使い分けで迷わなくなります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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