筋トレ仲間にすすめられてクレアチンを飲もうと思ったら、「腎臓に悪い」という話を見つけて手が止まった。そんな人は多いです。
- クレアチンとはそもそも何なのか
- クレアチンを飲むと腎臓に負担がかかるのか
- 健康診断のクレアチニン値が上がったらどうするか
先に答えを書くと、健康な人が決まった量を飲むぶんには、クレアチンで腎臓が悪くなる心配は小さいです。ただし血液検査の数字には影響が出るので、そこだけは知っておくと慌てずにすみます。
クレアチンとは筋肉にためておくエネルギーのもと
クレアチンとは、体の中で作られて、ほとんどが筋肉にためられている成分です。
クレアチンは、肝臓や腎臓でアミノ酸から作られます。肉や魚にも入っていて、食事からもとっています。
体の中のクレアチンは、およそ95%が筋肉にあります。重いバーベルを持ち上げる、全力で走り出すといった、数秒で力を出す動きのときに使われます。
クレアチンのサプリを飲むと、筋肉にためておけるクレアチンの量が増えます。そのぶん、ベンチプレスやスクワットであと1回、2回と粘れることがあり、筋トレをする人のあいだで広く飲まれています。
クレアチンと腎臓の検査で見るクレアチニンは別のもの
名前が似ていますが、クレアチンとクレアチニンは別のものです。
クレアチニンは、筋肉でクレアチンが使われたあとにできる老廃物です。血液に出たあと、腎臓でこされて尿といっしょに外に出ます。
腎臓のこす力が落ちると、クレアチニンが血液に残りやすくなります。だから健康診断では、血液のクレアチニンの量を見て腎臓の働きを調べています。
健康な人ならクレアチンで腎臓が悪くなる心配は小さい
腎臓に病気のない人が1日3〜5gのクレアチンを飲んだ研究では、腎臓の働きが悪くなったという結果は出ていません。
たとえば、1年以上筋トレを続けていて、タンパク質も多めにとっている男性を対象にした研究があります。最初の5日間は1日20g、その後は1日5gのクレアチンを12週間飲んでもらい、腎臓がこす力を細かく測りました。
結果は、クレアチンを飲んだ人と飲まなかった人で、腎臓の働きに差は出ませんでした。尿にタンパク質がもれ出ることもありませんでした。
一方で、もともと腎臓の働きが落ちている人で、クレアチンが安全かどうかは十分に確かめられていません。腎臓に持病がある人は、自分で判断せずに医師に相談してください。
クレアチンを飲むと健康診断のクレアチニン値が上がることがある
クレアチンを飲んでいると、腎臓が元気でも血液のクレアチニン値が少し高く出ることがあります。
クレアチンを飲むと、筋肉で使われるクレアチンの量が増えます。そのぶん、できるクレアチニンも増えるので、血液の中の量が増えるという流れです。
筋肉が多い人も、もともとクレアチニン値が高めに出やすいです。筋トレを続けていてクレアチンも飲んでいる人は、両方が重なって基準値を少し超えることがあります。
腎臓の検査の前に医師に伝えておくこと
数字だけを見ると、腎臓の働きが落ちているように見えてしまいます。健康診断や病院の血液検査の前には、次の2つを伝えておくと話が早いです。
- クレアチンのサプリを毎日何g飲んでいるか
- 週に何回、どのくらい筋トレをしているか
クレアチニン値が高いと言われたときは、筋肉の量に左右されにくいシスタチンCという血液検査や、尿にタンパク質が出ていないかを調べる検査で、腎臓の働きを見直してもらえることがあります。
検査の数字が気になるなら、クレアチンを2〜4週間ほど止めてから測り直す方法もあります。どうするかは、その数字を見た医師と決めてください。
腎臓に負担をかけないクレアチンの飲み方3選
クレアチンで腎臓に負担をかけないために守りたいのは、量を守る、水を多めに飲む、痛み止めの薬と重ねないの3つです。
腎臓のためにクレアチンは1日3〜5gを守る
クレアチンの量は、1日3〜5gで十分です。毎日この量を飲み続けると、3〜4週間ほどで筋肉の中のクレアチンが満タンになります。
早く満タンにしたい人向けに、最初の5〜7日だけ1日20gを4回に分けて飲む「ローディング」という飲み方もあります。ただ、急ぐ理由がなければ、はじめから1日3〜5gで続けるほうが胃腸にもやさしいです。
たくさん飲めば筋肉が早くつくわけではありません。筋肉にためられる量には上限があり、余ったぶんは尿と一緒に外に出ていくだけです。
クレアチンを飲む日は水をいつもより多めに飲む
クレアチンは、筋肉に水分といっしょにためられます。飲み始めてから体重が1〜2kg増えるのは、筋肉にたまった水分のぶんです。
筋肉に水分が回るぶん、体の水分が足りないと、腎臓の負担や筋肉のつりにつながりやすくなります。粉のクレアチンはコップ1杯以上の水やプロテインに溶かして飲み、トレーニング中もこまめに水を飲みましょう。
空腹のときにまとめて飲むと、おなかがゆるくなる人もいます。食後や、トレーニング後のプロテインと一緒に飲むと続けやすいです。
クレアチンと痛み止めの薬を重ねない
ロキソプロフェンやイブプロフェンのような痛み止めの薬は、腎臓に負担をかけることがあります。クレアチンと一緒に使うと、腎臓へのリスクが大きくなる可能性があると言われています。
筋肉痛や関節の痛みで痛み止めを毎日飲んでいる人は、クレアチンを始める前に医師や薬剤師に相談してください。たまに1回飲む程度なら、その日はクレアチンを休むと安心です。
クレアチンを飲む前に腎臓のことで医師に相談したい人
腎臓の数字で一度でも注意を受けたことがある人は、クレアチンを始める前に医師に相談してください。
とくに次のどれかに当てはまる人は、自己判断で飲み始めないほうがいいです。
| 当てはまること | 相談したい理由 |
|---|---|
| 健康診断でeGFRが60未満と言われた | 3か月以上続くと慢性腎臓病の目安になる数字のため |
| 尿タンパクが出ていると言われた | 腎臓の働きが落ち始めているサインのことがあるため |
| 糖尿病や高血圧で通院している | 腎臓の病気につながりやすい持病のため |
| 痛み止めや利尿薬を毎日飲んでいる | 腎臓に負担をかける薬と重なるため |
反対に、健康診断で腎臓の数字に何も言われていない人なら、1日3〜5gから始めて大丈夫です。気になる人は、飲み始める前に一度血液検査を受けておくと、あとで数字を比べられます。
クレアチンと腎臓で迷ったら健康診断の結果から見る
クレアチンを飲むか迷ったら、まず手元の健康診断の結果で、クレアチニンとeGFRと尿タンパクの3つを見てください。
3つとも基準の範囲なら、1日3〜5gを水と一緒に飲む形で始めてみてください。始めたら、次の健康診断でクレアチンを飲んでいることを伝えます。
どれかに印が付いているなら、クレアチンはいったん置いて、先に医師に相談するのがおすすめです。クレアチンを飲まなくても、筋トレそのものは今までどおり続けられます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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