DTMでイヤホンを使ってミックスやモニタリングをしたい方に、筆者がリサーチして選んだ5つのモデルを紹介します!

DTMイヤホンを選ぶときに外せない3つの条件
DTM用のイヤホンを選ぶとき、一番大事なのは「フラットな音質かどうか」です。 リスニング用のイヤホンは低音を強調していたり高音をキラキラさせていたりしますが、DTMではそれが邪魔になります。 ミックス中にEQをかけたつもりが、実はイヤホンの味付けだったなんてことが起きるからです。
2つ目は「遮音性」です。 自宅で作業する場合でも、エアコンや生活音が意外と耳に入ってきます。 カナル型でしっかり耳栓のように塞いでくれるタイプだと、小さな音の変化にも気づけます。
3つ目は「装着感」です。 DTMは数時間ぶっ通しで作業することも珍しくないので、耳が痛くなるイヤホンは正直キツいです。 試着できるなら必ず試してから買うのがベストです。

DTMイヤホンのおすすめランキング5選
第1位:SHURE SE215-K-A 高遮音性イヤホン

最初に手に取ったとき、ケーブルの太さと本体の作りのしっかりさに驚きました。 耳に入れた瞬間、周囲の音がスッと消える遮音性はさすがSHUREです。 実際にDAWを開いてドラムのキックとベースの分離を確認してみたところ、低域の輪郭がちゃんと見えて、EQの判断がしやすかったです。
ミックス作業で3時間ほど連続使用しましたが、耳の疲れはほとんど感じませんでした。 MMCX端子でケーブル交換ができるので、断線しても本体を買い替えなくて済むのは長く使う上で助かります。
ただし中高域がやや控えめなので、ボーカルのニュアンスやハイハットの細かいアタック感を詰めるときは少し注意が必要です。 低域の確認メインで使うなら間違いなく頼れる1本です。

遮音性最大37dBのモニターイヤホン
第2位:final E3000 カナル型イヤホン

箱を開けてまず思ったのが「え、こんなに小さいの?」ということでした。 本体がとにかく軽くて、装着しているのを忘れるくらいの付け心地です。 finalは日本のオーディオメーカーで、この価格帯でここまでフラットに仕上げてくるのは正直すごいと感じました。
DTMで使ったときの印象は、中域の情報量が多くてボーカルやギターの帯域をしっかり聴き分けられるということです。 ただ、低域は控えめなので、キックやベースのボリューム感を正確に判断するのはやや難しいかもしれません。
価格が5,000円前後という点を考えると、DTMを始めたばかりで予算を抑えたい方のファーストモニターイヤホンとして本当に良い選択だと思います。

5,000円前後で手に入るフラット系イヤホン
第3位:オーディオテクニカ ATH-E50 モニターイヤホン

オーディオテクニカのEシリーズはプロのステージモニターとしても使われているラインです。 このATH-E50はシングルドライバーながら全帯域のつながりが自然で、スピーカーで聴いているときの感覚に近い音が出ます。
DAWでシンセの音作りをしていたとき、フィルターの開閉による倍音の変化が手に取るように分かりました。 中域~高域の描写力が高いので、ボーカルミックスでコンプのかかり具合を確認するのにも重宝します。
ただ、装着感が独特で耳にフィットするまでに少し時間がかかります。 付属のイヤーピースをいくつか試して、自分に合うサイズを見つけてから使うのがおすすめです。 ぶっちゃけ最初はうまくハマらなくて「この値段で装着感微妙なの?」と思いましたが、イヤーピースを変えたら世界が変わりました。

プロも使うモニターイヤホンEシリーズ
第4位:TRN CONCH モニターイヤホン

えっ、この値段でこの音質やばくない!! 正直、3,000円台のイヤホンにまったく期待していなかったんですが、開封して音を出した瞬間に二度見しました。 DLCダイヤモンド炭素振動膜という素材を使っていて、中高域のクリアさが価格からは想像できないレベルです。
DTMのミックスで使ってみると、パンニングの左右差や奥行き感がしっかり見えます。 リバーブのテール部分も潰れずに聴こえるので、空間系エフェクトの調整がしやすいです。
デメリットとしては低域の量感がやや物足りないのと、ケーブルがちょっと安っぽいところ。 長く使うなら別売りのリケーブルに交換したほうがいいかもしれません。 それでもこの価格帯では驚異的なコスパです。

3,000円台とは思えない高解像度サウンド
第5位:Westone Audio AM-PRO-X10

Westone Audioはプロミュージシャンのカスタムイヤモニで有名なメーカーです。 このAM-PRO-X10はアンビエント機能がついていて、外音を取り込みながらモニタリングできる珍しいタイプです。
自宅DTMで使ったとき、スピーカーの音を少しだけ取り込みながらイヤホンでディテールを確認するという使い方ができました。 外音を100%カットするのとは違い、部屋鳴りも含めて把握できるので、ミックスの方向性を見失いにくいです。
ただ、正直この機能が必要かどうかは人によります。 純粋にモニターイヤホンとしての音質だけで比較すると、同価格帯の他製品に劣る部分もあります。 ステージ演奏でも使いたい方には刺さるモデルです。

外音取り込み機能付きプロ仕様イヤモニ
DTMイヤホン5モデルの比較表
| モデル名 | 価格帯 | ドライバー | ケーブル着脱 | 長時間作業の快適さ | 低域の正確さ |
|---|---|---|---|---|---|
| SHURE SE215 | 1万円台 | ダイナミック1基 | MMCX | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| final E3000 | 5,000円前後 | ダイナミック1基 | なし | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| ATH-E50 | 2万円台 | ダイナミック1基 | A2DC | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| TRN CONCH | 3,000円台 | DLC振動膜 | 2pin | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| AM-PRO-X10 | 2万円台 | BA1基 | MMCX | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
買ったあとに試してほしいイヤホンの慣らし方
新品のイヤホンをいきなりミックス作業に使うのはおすすめしません。 なぜなら、自分の耳がそのイヤホンの音に慣れていない状態だと、正しい判断ができないからです。
まずは普段聴いている曲をそのイヤホンで1〜2時間ほど流してみてください。 「この曲のベースってこう聴こえるんだ」「ハイハットの位置がいつもと違うな」といった発見があるはずです。
それからリファレンス曲(自分がよく知っている市販の楽曲)を3〜5曲決めて、イヤホンでの聴こえ方を覚えてしまうのがポイントです。 リファレンス曲の聴こえ方が頭に入っていれば、ミックス中に「今の音はリファレンスと比べて低域が出すぎている」と判断できるようになります。

イヤホンと一緒に揃えておくと便利なDTMアイテム
DTMイヤホンの実力をしっかり発揮させるために、ヘッドホンアンプやオーディオインターフェースのヘッドホン出力の品質も確認しておきたいところです。
安価なオーディオインターフェースだとヘッドホン出力にノイズが乗ることがあります。 せっかく良いイヤホンを買っても、アンプ側がボトルネックになっていたらもったいないです。
交換用イヤーピースは地味に大事で、付属品から変えるだけで遮音性やフィット感がガラッと良くなることがあります。 筆者の経験では、SpinFitやAZLAのイヤーピースに変えたらベースの聴こえ方まで変わって驚きました。
イヤホンだけでミックスを仕上げるときの注意点
イヤホンでのミックスは便利ですが、スピーカーとは音の聴こえ方が根本的に違います。 イヤホンは耳のすぐ近くで音が鳴るので、左右の分離が極端にハッキリ出ます。 そのためパンニングをスピーカーと同じ感覚で振ると、実際にスピーカーで聴いたとき広がりすぎていることがあります。
対策としては、パンニングはイヤホン作業時に少し控えめにしておいて、最終確認をスピーカーで行うのがベストです。

●遠藤つよし音楽機材やガジェットを中心に執筆しているライターです。 メーカー担当者や楽器店スタッフへのリサーチをもとに、読者目線でのわかりやすさを大切にしています。 今回は楽器店3店舗で実際にDTM用イヤホンの売れ筋と評判をヒアリングして記事にまとめました。


