ASAフィラメント、屋外に置くパーツを3Dプリンターで作りたいなら避けて通れない素材です。 今回は実際に使ってみて「これはいいな」と感じたASAフィラメントを5つ紹介します!

ASAフィラメントを選ぶときに見るべき3つのこと
ASAフィラメントはABSと似ていて、印刷時の反りや臭いが気になる素材です。 だからこそ、フィラメント選びで印刷の成功率が大きく変わります。
まず気にしたいのが「反りにくさ」です。 ASAは基本的にエンクロージャー付きのプリンターで使う素材ですが、メーカーによって反りの出方が全然違います。 OVERTUREやeSUNは比較的反りが少ないという声が多く、初めてASAを試す方には向いています。
次に「臭い」です。 正直、ASAの印刷中の臭いはABSよりマシとはいえ、けっこう気になります。 換気は必ずしてください。

3つ目は「価格と容量」です。 ASAフィラメントはPLAより高めの価格帯なので、1kgあたりの値段を見て比較するのが大事です。 練習用に安いものを1本、本番用にちょっと良いものを1本、という買い方がおすすめです。
ASAフィラメントのおすすめランキング5選
第1位:Polymaker PolyLite ASA 1.75mm ブラック

ASAフィラメントの中では知名度が高く、3Dプリンター界隈では「まずPolymakerから試す」という人が多い印象です。 実際に印刷してみると、反りの少なさにまず驚きました。 エンクロージャーありのCrealityで試したところ、ベッド温度100℃、ノズル250℃で1発目からほぼ反りなしでプリントできました。
表面の仕上がりもマットで綺麗です。 屋外で使うプランターカバーを作ったんですが、3ヶ月経っても変色がほとんど見られません。

ただし、カラーバリエーションが限られているのが惜しいところです。 黒やグレー以外の色が欲しい場合は他メーカーも検討してみてください。
ASAの定番。反りにくく屋外パーツにも安心
第2位:OVERTURE ASA フィラメント 1.75mm 1kg

OVERTUREはコスパの良さで有名なフィラメントメーカーです。 ASAフィラメントも例外ではなく、Polymakerより少し安めの価格設定がありがたいです。 開封した瞬間の臭いはASA特有のものがありますが、印刷中はエンクロージャーを閉めていればそこまで気になりません。
ノズル250℃、ベッド100℃で印刷したところ、多少の反りはあったものの許容範囲内でした。 ただ、1層目の定着にちょっとコツが要ります。 糊スティックを塗っておくと安定感が増すので試してみてください。

表面の仕上がりはPolymakerよりほんの少しざらつきがありますが、ヤスリで整えれば問題ないレベルです。 カラーもPolymakerより多いので、色付きの屋外パーツを作りたい方には向いています。
コスパ重視派に。カラーも豊富なASA
第3位:eSUN ASAフィラメント 1.75mm 1KG ブラック

eSUNは中国のフィラメントメーカーですが、品質の安定感は業界でもトップクラスです。 PLAやPETGで使ったことがある人も多いと思います。 ASAも同様に安定していて、印刷条件さえ合えば反りもほとんど出ません。
自分がeSUNのASAで印刷して一番びっくりしたのは、層間の密着度の高さです。 完成品を手で曲げてみても、層間で割れる気配がないんですよね。 屋外用のブラケットを作ったんですが、ビス止めしても割れずにしっかり固定できました。
ぶっちゃけ、見た目の仕上がりだけならPolymakerのほうが綺麗かなとは思います。 でも強度重視のパーツを作るならeSUNは頼りになります。
層間密着が強く、強度重視のパーツ作りに
第4位:iSANGHU ASA フィラメント 1.75mm 1kg

iSANGHUは知名度こそ低いですが、Amazonで地味にレビュー評価が高いメーカーです。 アーミーグリーンやオリーブといった珍しいカラーがあるのが特徴で、他メーカーにはない色味を求めている人にはかなり刺さると思います。
実際に印刷してみると、ノズル温度はやや高めの255℃くらいがちょうど良かったです。 240℃だと定着が弱くて、1層目が剥がれることがありました。 温度を上げたら一気に安定したので、温度設定がシビアな印象です。

耐候性についてはPolymakerやeSUNと同等レベルで問題なしです。 ただ、スプールの巻きが少しゆるいことがあって、フィラメントが絡まるトラブルが1回ありました。 使い始めにスプールの状態を確認しておくと安心です。
珍しいカラーが揃う。色にこだわりたい方に
第5位:Creality Hyper ASAフィラメント 1.75mm 1kg

Crealityは3Dプリンター本体のメーカーとして有名ですが、フィラメントも自社で出しています。 Hyperシリーズは高速印刷を売りにしていて、K1シリーズなどの高速機との組み合わせを前提に作られています。
印刷速度300mm/sで試してみたところ、確かに他のASAフィラメントよりブツブツ感が少なく、表面が滑らかでした。 高速印刷でASAを使いたいならCrealityの純正フィラメントは相性が良いと感じます。

弱点を挙げると、他メーカーのプリンターとの相性はやや未知数です。 Bambu LabのA1 miniで試したら少し反りが出たという報告もあるので、Creality以外のプリンターを使っている方は念のためテスト印刷をしてから本番に臨んでください。
Creality高速機との相性抜群。純正の安心感
ASAフィラメント5製品をサクッと比較
| 製品名 | 価格帯 | 反りにくさ | 表面の綺麗さ | 初心者の扱いやすさ | カラーの豊富さ |
|---|---|---|---|---|---|
| Polymaker PolyLite | やや高め | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| OVERTURE ASA | お手頃 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| eSUN ASA | お手頃 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| iSANGHU ASA | お手頃 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| Creality Hyper ASA | やや高め | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |

ASAフィラメントで印刷するときに気をつけること
ASAフィラメントはPLAのように「とりあえず印刷」ではうまくいかない素材です。 印刷前の準備がかなり大事なので、3つの注意点を頭に入れておいてください。
まず、エンクロージャーはほぼ必須です。 密閉された空間で印刷しないと、温度差で反りが発生します。 エンクロージャーがないプリンターの場合は、段ボールで簡易的に囲うだけでもだいぶ違います。 実際に段ボールエンクロージャーで試したことがあるんですが、反りが半分くらいに減りました。
次に、フィラメントの乾燥です。 ASAは吸湿しやすい素材なので、開封後はドライボックスに入れて保管するのが鉄則です。 湿気を吸ったASAで印刷すると「パチパチ」と音がして、表面がボコボコになります。

3つ目は換気です。 ASAは印刷中にスチレンのような臭いが出ます。 密閉空間で長時間印刷するなら、換気扇の近くにプリンターを置くか、活性炭フィルター付きのエンクロージャーを使うのが理想です。
ASAフィラメントと一緒に揃えたいアイテム
ASAフィラメントを快適に使うなら、いくつか揃えておきたいものがあります。
個人的に一番買ってよかったのはフィラメントドライヤーです。 開封したASAをドライヤーに入れながら印刷するだけで、プチプチ音がなくなって印刷品質が見違えるほど良くなりました。 ASAを使うなら正直これがないと話にならないレベルです。

ASAとABSの違い、ぶっちゃけどう?
ASAとABSはよく比較されますが、最大の違いはUV耐性(紫外線への強さ)です。 ABSは屋外に置いておくと数週間で黄変したり脆くなったりしますが、ASAは数ヶ月経ってもほとんど変化がありません。
印刷の難易度はどっこいどっこいです。 どちらもエンクロージャー推奨で、反りやすくて臭いも出ます。 ただ、ASAのほうが若干反りにくいと感じる場面が多かったです。
もしかして本当はABSで十分かも?と思う方もいるかもしれません。 でも屋外用パーツを半年くらい使ってみると「ASAにしてよかった」と実感する場面が必ず来ます。 最初の1本はASAで揃えておいて損はないです。
●遠藤つよし3Dプリンターやフィラメント素材に関する記事を中心に執筆しているライターです。 メーカー担当者や3Dプリンティングショップへのリサーチをもとに、購入前に気になるところをまとめています。 今回は実際に5種類のASAフィラメントを取り寄せて、印刷条件や仕上がりの違いを比較取材しました。

